警備業務における「巡回」とその自動化
警備業務における「巡回」は、施設や人々の安全を守る重要な仕事です。しかし、年々人手不足は深刻さを増しており、セキュリティ業界においても警備員の確保が難しくなっています。本記事では、警備業務における「巡回」に関する情報と、人手不足を解消する巡回業務の自動化について解説します。
警備業務における「巡回」とは?
警備業務における「巡回」とは、オフィスや工場、商業施設などの内部や周辺を順番に回り、異状がないか目視でチェックを行いながら警備を行うことです。決められた箇所を順々に目視で確認していく方法が一般的です。昼間だけでなく夜間に行われるケースもあります。
「巡回」は、以下で説明する警備業務の区分においては「第1号業務」で主に行われます。
警備業務の区分
そもそも、警備業務は、警備法上4つに区分されており、それぞれ業務内容や警備検定資格等が定められています。
1号業務
施設における事件・事故の発生を警戒する業務です。インフラ施設から各企業の施設、個人宅まで幅広い範囲で提供されています。日本における警備業務の需要において、約50%もの割合を占めています。1号業務はさらに下記の5つに区分されています。
- 施設警備業務:契約先の施設に警備員が常駐します。常駐する警備員は出入りの管理や巡回、施設のカギとその開閉作業などを行います。
- 巡回警備業務:施設に警備員が常駐しませんが、定期的または不定期に警備員が巡回します。複数の契約先施設内を警備員が移動しながら警備します。
- 保安警備業務:商業施設において、万引きや置き引き等の各種犯罪を防止する目的で、店内の巡回やモニターでの監視を行います。
- 空港保安警備業務:航空機内への持ち込み禁止品の持ち込みを防止する業務です。エックス線投資検査装置や金属探知機を用いるため、専門的な知識も要求されます。
- 機械警備業務:施設に設置された各種センサー等を活用して、警備会社は中央の監視センター等で事件・事故の発生を警戒します。異常時には直ちに警備員が駆け付けます。
保安警備業務:商業施設において、万引きや置き引き等の各種犯罪を防止する目的で、店内の巡回やモニターでの監視を行います。
- 空港保安警備業務:航空機内への持ち込み禁止品の持ち込みを防止する業務です。エックス線投資検査装置や金属探知機を用いるため、専門的な知識も要求されます。
- 機械警備業務:施設に設置された各種センサー等を活用して、警備会社は中央の監視センター等で事件・事故の発生を警戒します。異常時には直ちに警備員が駆け付けます。
このような1号業務では「巡回」業務が様々な場面で発生します。
このような事態への対策として、既存の稼働情報やセンサーデータによる監視に加え、監視カメラを設置してカメラの映像を用いた監視を行なうケースが増えています。例えば、遠隔地で無人で運用されることが多い再生可能エネルギーの発電施設、送変電施設、あるいは鉄道沿線や空港の周辺部などの監視において、このような需要が発生しています。
なお、「巡回警備業務」以外でも、「巡回」業務は発生しますのでご注意ください。「巡回警備業務」の「巡回」は、いくつかの施設を順番に回っていくことから「巡回」という言葉が使われています。
2号業務
イベントや道路において、人・車両通行の整理を行い、事故等を防止する業務です。
- 交通誘導警備業務:道路の工事現場や駐車場など、交通に危険が発生しやすい箇所において、通行する人や車両の誘導を行います。
- 雑踏警備業務:不特定多数の人々で混雑する場所において、人の交通整理と共に、必要な情報の提供や広報、案内等を行い、人々の安全を守ります。
3号業務
運搬中の現金や、貴金属、美術品の盗難を警戒する警備業務です。犯罪の標的となりやすく、強固な警備が行われます。
- 貴重品運搬警備業務:不測の事態に備えた特殊車両等で、現金や貴金属、美術品等の財産を安全に目的地まで運搬します。非常に高度な警備システムが構築されています。
- 核燃料物質等危険物運搬警備業務:ユーザーだけでなく関係機関とも綿密な打ち合わせを行い、核燃料物質等の危険物を運搬します。
4号業務
人の身体の安全を守る業務です。
- 身辺警護:主に著名人の身辺を警護し、身体の安全を守る、いわゆる「ボディーガード」です。ただ、近年で一般市民や子供までその対象は拡大しており、GPSを活用した「位置情報サービス」などの活用も進んでいます。
巡回の業務内容
警備業務における「巡回」の流れとしては、施設や場合によって異なることもありますが、大まかな流れは下記のとおりです。
① 巡回の経路を確認。
② 決められた点検箇所へ順々に移動し、各箇所で異状がないか目視で確認
③ 完了したら報告書を記入し提出
それぞれの段階でのポイントを下記にまとめました。
①準備:巡回の経路を確認
巡回する前に、まずは巡回する経路を確認する必要があります。あらかじめ決まった経路に従って行う場合と、警備員の判断によって自由に経路を選択できる場合があります。どちらにせよ、立ち寄り箇所は決まっていますので、確認が必要です。
また、特に夜間等の巡回では、誰が施設に残っているのか、企業であれば残業届等を元に確認したのち、巡回に出る必要があります。
②点検:異状がないかを確認
決められた点検箇所へ順々に異動し、各箇所で異状がないか確認します。5感を使い、いつもと違っている箇所はないか、不審者はいないかなどを確認しましょう。また施錠の確認等も確実に行うことが重要です。また電気器具スイッチのOFFなども業務に入ってくることがあります。
③報告:報告書等の記入
異状を発見した場合はもちろんですが、全く異状がなかった場合でも、その記録を残しておくことが重要です。報告書には巡回した時間や場所、誰が巡回したのか等を記載します。
警備における「巡回」の自動化
近年では、警備における「巡回」業務を、防犯カメラ等を活用することで、より効率的に行う取り組みも進んでいます。アムニモの株式会社が提供する「統合ビデオ管理システム」における自動化の仕組みを例として見てみましょう。
巡回の自動化
「自動巡回」と呼ばれる機能では、警備における「巡回」業務を、防犯カメラを利用することで効率的に行うことができます。これまで警備員が実際に現地に行って行なっていた見回り巡回を遠隔からカメラで代わりに実行するものです。複数の拠点を少ない人数で巡回することも可能となるため、人手不足の解消としては非常に大きな効果が見込まれます。
まず、閲覧者が巡回実行ボタンをクリックすると、あらかじめ決められた順番に従ってカメラが順々に切り替わっていきます。
画面上には正常時の画像と現在のライブ映像が表示されるため、閲覧者はそれぞれのカメラで映している場所の異状の有無を正常時の映像と比較しながら記録していきます。
決められた箇所の巡回が完了すると、最後自動的に「レポート発行」の画面が立ち上がります。レポート画面には、自動的に点検者の名前や点検した箇所、巡回日時などが記録されており、これを印刷することでレポート作成完了となります。異状がなければほぼワンクリックで終了することが可能で、レポート作成の手間を減らすこともできます。
アラート発生時の対応自動化
また、アラート発生時の対応をある程度自動化し、遠隔からも状況を把握できるようにしておくことで、迅速な対応や業務の効率化が期待されています。
システムがアラートを感知した際には、一般の映像システムであれば、まずアラートに関連するカメラがどれなのかをデータベースや地図情報などで検索する必要があります。そして、特定されたカメラにアクセスし、アラート発生前後の録画映像の取得と、さらにそのカメラのリアルタイム映像を閲覧するモードを起動して現在のその場所の状況をチェックするという対応が行われます。
しかし、これらの業務をシステムで自動化することが出来ます。まずアラートを検知すると管理者に通知が届くと同時に、管理者が閲覧する画面上では、自動的にアラートが発生した場所の映像画面が立ち上がります。その画面では、あらかじめアラートと紐づけられていたカメラの録画映像のうちアラート発生の前後の映像と、リアルタイムの映像が並べて表示されます。一連の操作をワンクリックで実行することが可能であり、状況把握を素早く行うことができます。
さらに、アラートへの対応が終了すると、レポート作成画面が自動的に立ち上がります。そのレポート上では、アラート発生などのタイムスタンプが自動的に登録されており、関連する映像が選択可能な状態で表示されます。その中からレポートに添付したい映像を抽出した上でメモ等を付記することによりアラート対応のレポートの作成が完了するため、レポート作成の業務も効率化することが可能です。
業務効率化を実現する「統合ビデオ管理システム」
アムニモ株式会社が提供する「統合ビデオ管理システム」は、上記のように警備の自動巡回やアラート通知機能が実装されており、警備業における業務効率化を実現する映像管理サービスとなっています。
アムニモの映像ソリューション「統合ビデオ管理システム」の詳細につきましてはこちらよりご覧下さい。
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