VMSは「Video Management System（ビデオマネジメントシステム）」の略であり、防犯カメラ・監視カメラによって撮影された映像の表示、保存、検索、送信を制御するソフトウェア・サービスです。「映像監視ソフトウェア」「録画映像統合管理システム」などと呼ばれることもありますが、基本的には同じサービスと考えて差し支えありません。

例としては、施設内に複数台設置された監視カメラの映像を、モニタールームなどで、一括で集中管理するシステムを構築する際に使用されます。

施設のセキュリティを高めるシステムとして、また効率的に警備を行うためのシステムとして注目されています。

VMSによって具体的にどんなことができるようになるのでしょうか。以下では、一般的なVMSの機能をご紹介します。

映像をクラウド経由で送信し、遠隔地から現場の映像を確認できます。複数の拠点にある監視カメラの映像を管理する管理システムを遠隔で構築することが可能です。現地に足を運ぶことなく警備体制を確立できる他、工場などの生産現場の監視では難しいと考えられていた働き方改革を実現するためのソリューションとしても注目されています。特に、現在のコロナ禍では、VMSによる遠隔監視システムで出社する人数の削減に成功している企業は少なくありません。

VMSを用いれば、施設内に設置している複数の監視カメラの映像を確認可能です。広い施設や複数フロアがある施設では、とりわけこの点が役立ちます。各カメラの映像データは記録されているため、後から閲覧することや、ダウンロードすることもできます。事件や事故が起きた際には真相究明のために、生産現場などで設備のトラブルが起きた際には、事態を把握するために役立てられています。

VMSは記録された情報の中から特定の事象を検知することもできます。例としては、「ドアが開いていた」といった事象を検知し、その際の映像をピックアップすることも可能です。また、異常と思われる事象が検知された場合は、リアルタイムで担当者のPCやスマホにアラートを送ることもできます。この機能によって、より信頼性の高いセキュリティを実現可能です。

多くの人が利用する駅や空港といった交通機関、コンサート施設等では、防犯の目的からVMSと監視カメラによる防犯システムが構築されています。

工場では多くの機械が稼働しています。それらの稼働状況を見守るため、VMSが活用されています。近年では、VMSの映像を責任者がリモートで閲覧しながら、必要に応じて現場の作業員に指示する体制も一般的になっています。

介護施設では高齢者の見守りのためにVMSが活用されています。顔認証による入退室状況の管理、夜間徘徊の防止、夜間スタッフの勤務状況の把握などが可能です。

学校では子供たちの登校・下校状況を管理するため、VMSによる顔認証が実施されています。登校・下校を検知しだい、保護者にメールを送ることも可能です。

小売店やスーパーでは、主に万引き対策としてVMSが導入されています。あらかじめ要注意人物の顔を登録しておき、監視カメラで確認されしだい担当者にアラートメールを送ることも可能です。

現在、さまざまなVMSが開発・リリースされています。お客様にとっては選択肢が豊富にある状況です。以下では、VMS選びのポイントをご紹介します。

マニュアルを読まなく希望の操作ができる使いやすいUIのVMSであれば、スムーズに導入できます。アムニモのエッジゲートウェイにプリインストールされている「Nx Witness」は、直感的に操作できるシンプルなUIが好評です。また動作の速さ・軽さも評価されています。

VMSによって対応しているカメラが異なります。導入したいカメラ、もしくはすでに導入しているカメラがある場合は、そのカメラをサポートしているVMSを選びましょう。 なお、カメラ外部にVMSを実装される場合を想定してカメラ側は ONVIFという制御方式にて対応することが一般的になっています。

複数人がVMSを利用する場合には、ユーザー管理機能が信頼できる製品を選びましょう。また、セキュリティを強化したい場合は、複数のストレージを指定してバックアップできるVMSがおすすめです。

VMSにより防犯カメラ・監視カメラの可能性が広がり、より堅牢なセキュリティを実現することができます。さまざまな仕様のVMSがあるため、用途によって最適なものを見つけてください。