株式会社トーノーセキュリティ 常務取締役 永井 幸喜 様
トーノーセキュリティは機械警備を中心とした警備会社です。セントラル警備保障から一部出資を受けているので、セントラルセキュリティリーグの一員でもあります。事業の柱はセキュリティ、建物・設備管理、ITソリューションの主に3つです。警備業務が中心とはなりますが、消火器などの防災設備やITインフラの整備など幅広く事業を展開しています。なかでも監視カメラ関連の事業は、近年拡大傾向にあります。警備を担当しているお客様の現場に監視カメラを設置するケースもありますが、小売店において顧客サービス向上を目的として監視カメラを活用するなど、映像を活用したソリューションが広がりつつあります。
アムニモの製品は、まず警備用の通報装置に使えるゲートウェイ・ルーターとして活用しております。警備用の装置は、以前はISDNや電話回線を利用して信号を送っていましたが、近年はインターネット回線を活用するケースがほとんどとなっています。電話回線やISDNはランニングコストが高いため、SIMも低速で安いものを活用すれば、お客様にとって大きなコスト削減につながります。さらに、電話回線を引かないお店も多く、インターネットへの切り替えはますます進んでいます。また、ISDNも近い将来終了が予定されているので、この置き換えにも活用していきたいです。 また警備以外でも、水道施設など自治体が管理する施設を遠隔地から監視するため、カメラとその他の監視装置をゲートウェイにつないでシステムを構築し、運用しています。
一番の理由は、開発のコンセプトが理解できているため、機器に対する信頼性が高く安心して使える点です。警備の機械はセキュリティを担保するものであるため、故障無しで動いてもらわないと困ります。こういった要望は、設計・開発の段階からアムニモの開発チームと顔を合わせてやり取りをさせていただく中で、相談していました。このような現場の声を技術的な観点から設計に落とし込み、製品をリリースされているので、安心して使うことができます。
電源周辺の設計に細かい工夫がされており、安定的に稼働してくれる点を一番のメリットに感じています。例えば、瞬停(瞬間停電)が起きると再起動がかかり、稼働が一時的に停止してしまう機械が多く、課題に感じていました。一方、アムニモの製品は、電圧の幅が大きく、キャパシタも入っているので、瞬停が起こってもリブートせずに動いてくれます。他にここまでの対策をされた機器を見たことがなく、もしあったとしても金額的にかけ離れているため、アムニモの製品は導入しやすいと感じています。
中身がより高性能になり、今までできなかったことができるようになりました。例えば、以前は処理能力の関係上、古いバージョンのビデオマネジメントシステム(Nx Witness ※)しか使えませんでしたが、最新版のシステムが使えるようになり、それだけでも大きな違いを感じています。
※Nx Witness : Network Optix社が開発する、監視カメラで撮影した映像を保存、管理するためのシステム「VMS」の一種
ルーター部分スピードの速さも実感しています。LTE部分でしかスピードが出ない製品もありますが、アムニモの製品はLTE無しで使うとしても高速で使うことができます。高速に使えるというのは、監視カメラ等に接続し、画像や映像を取り扱う上で、大きなメリットになります。
LTE回線の電波が弱いところでも、電波をきっちり拾ってくれます。少しでも電波を拾えればやりとりができるので、そのあたり上手く味付けされていると思いました。また、マルチキャリア対応の製品も意外とないので、そういった点も決め手の一つです。
横河電機の100%出資子会社というのは、安心感があります。特にお客様に説明した際、横河電機の子会社ということで信頼していただけるケースも多く、大変助かっています。また、万が一トラブル等が起きた際も、いつも実際に現場に来ていただくなど、丁寧に対応していただけていると思います。
remote.itはようやく認知が広がり、採用も加速するように感じています。SSL-VPNを使うと企業側のグローバルIPアドレスにSSL-VPN用ポートを開放する必要があり、そのポートへ攻撃されることが想定されます。その点、remote.itではポート開放をせず、セキュリティを担保したまま遠隔監視が実現できるので、需要が広がると考えています。実際、ビデオレコーダーに関してもハッキングを受けてシステムがダウンしてしまうこともあるため、その点remote.itはセキュリティ性が高く安心です。実際、お客様のシステムを弊社が遠隔からメンテナンスする際は、remote.itを使っています。
自治体での利用の加速を期待しています。例えば雨量計であれば、電源とゲートウェイさえあれば、LTE回線でロガーの情報を遠隔地へ送ることができるので、大雨による災害等が増えている昨今では需要があると考えています。他にも産業廃棄物の不法投棄を防ぐための監視システムや地すべり監視など、各自治体が推進する遠隔監視システムにおいて、活用できると思っています。
将来的な話にはなりますが、アムニモがエンベデッドの画像AIエッジゲートウェイを開発中と伺っているので、それにも期待をしています。現在警備業務において、必要な映像を探すために時間や工数がかかっていることが、課題として挙げられます。しかし、将来的にはAIを活用した画像処理により、監視に必要な映像のみをタイムリーに確認することで、業務の効率化とサービスレベル向上を実現したいと考えています。そのため、こういったAI処理を警備業務に組み込むための、アムニモの取り組みに期待をしています。