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遠隔監視を上手に活用しよう・遠隔監視カメラのメリットと注意点

遠隔監視システムは、離れた場所にある設備の稼働状況のチェックや、危険な場所での観察業務、高いセキュリティが求められる施設での24時間監視など、様々な場所で活用されています。インターネットをはじめ、カメラ、IoT機器の技術の向上などにより、その存在はより身近なものになっています。

本記事では、遠隔監視システムとはどのようなものなのか、活用のメリット、利用における注意点などを解説します。

遠隔監視システムとは

 従来の設備管理や、防犯カメラといった監視システムは、センサーやカメラから得られた情報を、専用機器をつかって処理していました。専用機器には、モニター、録画装置、データ処理用のコンピュータなど各種あります。データのやりとりは同軸ケーブルなどを使って有線で行い、専用機器内で録画、視聴、各種データ処理を行います。そのため、データは専用機器が置かれた工場内や、近くの管理室でしか見ることができませんでした。

 遠隔監視システムでは、センサーやカメラは、ルーター、またはゲートウェイを介してネットに接続されています。ネットにアクセスできる環境があれば、どんな場所からでも監視システムで得られたデータを見ることができるのです。また、従来の監視システムでは、センサーやカメラを操作する場合は、管理室へ行くか、取り付けられている現場に行く必要がありました。遠隔監視システムならば、ネットを介して離れた場所から操作をすることや、何らかの原因で停止してしまったような場合でも、再起動させることも可能となります。

 更に、近年活用が進むクラウドサービスを活用すれば、自社内で監視システム用のサーバーを設置したり、大規模なネットワークを組んだりすることなく、遠隔監視システムを構築することができるようになりました。工場や大規模商業施設の管理、監視から、個人で留守中にペットの様子をスマートフォンでチェックするシステムまで、遠隔監視システムは使いやすく身近なものになっています。

遠隔監視システムのメリット

遠隔監視システムを導入するメリットは各種あります。一番に挙げられるのは、複数の場所を遠方にある1か所で管理、監視できることです。

 例えば、全国に複数の生産工場を持つ企業の場合、従来ならば各工場に機械の稼働状況や生産数量を常時チェックするモニタリングシステムを導入して、工場単位で管理していました。本社では各工場から送られてくるデータを元に全体を把握して、各工場に指示を出すことになります。遠隔監視システムを使えば、本社で全ての工場の機械の稼働状況を見ることができます。人員、コスト面で大幅な削減ができます。また、機械に取り付けられている各種センサーからの情報を、クラウドに上げてAIで解析することで、故障や不具合を事前に予測する予知保全を行うことも可能になります。その結果を元に、保守に必要な部品等を本社で一括管理することで、更なるコスト削減を図ることもできるようになります。

 また、遠隔監視システムを活用すれば、自然環境が厳しい場所や、人が入ることが難しい場所、頻繁に訪れることができない場所でも、安全で簡単に監視することができます。センサーやカメラに内蔵された記録用のデータカードを回収しにいく必要もありません。既に、火山地帯や山間部、災害が発生しやすい場所、広大な農地、人が巡回しきれない大規模施設などの監視に活用が進んでいます。

 遠隔監視システムを活用することで、今まで管理できなかったものも管理できるようになり、見られなかったものも24時間体制で監視できるようになるのです。

遠隔監視システムを活用する際の注意点

 大変便利で有益な遠隔監視システムですが、活用する際には幾つか注意するべき点があります。まず、第一にセキュリティの問題です。遠隔監視システムはネットを介して外部とデータをやり取りしています。セキュリティが甘ければ、外部からの侵入を許すことになります。アクセスIDやパスワードの管理はもちろん、通信の暗号化などを確実に行う必要があります。また、ヒューマンエラーによるセキュリティホールを作らないように、管理責任者、管理手順を明確に定め、システム全体の定期的なチェックを行うことも重要です。

 また、見落としがちなのが、センサーやカメラなどの停止です。センサーからのデータや、カメラの画像は24時間体制で記録されていますが、何か異常が発生しなければ確認する機会は少なくなります。機器が停止していると、異常が発生した際に確認しても何も記録されていないことになります。

遠隔監視システムでは、センサーやカメラからからのデータが途切れたことを、検知して知らせる機能が搭載されているものが多くあります。この機能を活用することで、機器を停止したままにしてしまうことを防ぎます。更に、センサーやカメラは人の手が簡単に届かない場所にあることが多いので、停止からの再起動を行う場合、手動で行うには多くの手間と時間を必要とします。遠隔でシステムを制御できる機能を搭載しておくことで、場合により、現場に行かなくても復旧することが可能になります。

まとめ

携帯電話網の発達や、各種無線通信技術の進歩により、高速で大容量のデータが無線でも送れるようになり、遠隔監視システムの活用が今まで以上に進んできています。カメラ、IoT機器の技術の向上だけでなく、ネットへの入り口となるゲートウェイの性能の向上、クラウドサービスの発展、AI技術の進化などにより、遠隔監視システムの導入はより、簡単で安く、手軽にできるようになりました。遠隔監視システムの活用範囲は今後も更に広がっていきます。